企業動向

CIP、オーステッドの欧州陸上再エネ事業を買収完了 4カ国で風力・太陽光・蓄電池を展開

2026-05-07
デンマークのCIPがオーステッドの欧州陸上再エネ事業(風力・太陽光・蓄電池)の買収を完了し、4カ国で事業を展開することを発表した。

専門家の視点

欧州陸上再エネ資産の移転は、洋上中心で規模拡大を続けてきたオーステッドにとって、資本効率を優先する戦略的な選択であり、一方のCIPは稼働中資産と開発パイプラインを一括取得することで、運営リスクを低減しながら市場参入する構造です。収益構造が政府支援制度とCPPAの組み合わせである点は、市場変動への耐性を示す一方、新会社の成長がパイプラインの実行に依存するため、開発許可や系統接続の遅延が実体としてのボトルネックになります。物語は「欧州域内での安定グリーン電力需要」という説得力ある文脈で語られますが、複数ギガワット規模の開発案件の具体的内訳や稼働時期が示されていないため、物語先走りの要素が含まれます。時間軸で見ると、稼働中826メガワットは即戦力ですが、開発分の収益貢献には5年以上かかる可能性が高く、投資回収の前提として資本コスト上昇と電力市場価格の変動リスクを織り込む必要があります。欧州の再エネ市場は、アジア勢の参入や中国製設備の価格競争もあり、単純な需要増加の物語だけでは説明できない複雑さを持つ状況です。

4月30日、デンマークの再生可能エネルギー投資会社コペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズ(CIP)は、オーステッドの欧州陸上再生可能エネルギー事業の買収を完了し、新会社「Perigus Energy(ペリガス・エナジー)」を発足させたと発表した。買収はCIPの第5号基幹ファンド「CI V」を通じて実施された。 Perigus Energyは、アイルランド、ドイツ、英国、スペインで陸上風力、太陽光、蓄電池事業を開発・建設・運営する。稼働中および建設中の設備容量は計826メガワットで、複数ギガワット規模の開発パイプラインも抱える。現在の発電ポートフォリオは、欧州の約60万世帯分に相当する電力を供給しているという。 同社の資産は、政府支援制度と企業向け電力購入契約(CPPA)を組み合わせた収益構造を持つ。今回の取引によって、既存の契約や取引先、パートナー関係に変更はないとしている。 CIPのパートナー、クナル・パテル氏は「今回の取引完了は、CI Vにとって重要な節目であり、欧州の陸上再生可能エネルギー拡大に向けた大きな一歩だ」と述べた。Perigus Energyについては、実績あるチーム、運営中の資産、主要欧州市場にまたがる開発案件を備えた企業だと説明した。 Perigus Energyのキアラン・ホワイト最高経営責任者(CEO)は、同社について「アイルランドの農業協同組合とドイツの家族経営企業を起源とする、長年の再生可能エネルギー事業の新たな章だ」と述べた。国際エネルギー市場の高い変動性を踏まえ、欧州では域内で生産される安定したグリーン電力の必要性が高まっていると指摘した。 Perigus Energyはアイルランド・コークに本社を置き、従業員は200人超。ドイツのレーゲンスブルク、ラウフ、ポツダム、エッセン、ハンブルクのほか、ロンドン、エディンバラ、マドリードにも拠点を構える。 CIPは2012年設立のエネルギーインフラ投資会社で、太陽光、風力、蓄電、送配電、低炭素燃料、炭素回収などに投資している。現在15本のファンドを運用し、これまでに約370億ユーロを調達している。 原文:Copenhagen Infrastructure Partners completes acquisition of Ørsted’s European onshore platform – and launches Perigus Energy日本語参考訳:コペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズがオーステッドの欧州陸上プラットフォームの買収を完了し、ペリガス・エナジーを立ち上げる ESG Journalでは、実務に役立つポイントや実践ガイド(テンプレート)を紹介しています!国際的な動向からも気候変動への対応や開示の高度化が進んでいます。ぜひこの機会に自社の実務対応を再確認してください。🌍気候変動開示への対応に関連する実務解説はこちら>>> ✅それぞれの制度の概要を比較✅両制度の共通点と活用方法 ✅スコープ2改定案における変更点の全体像✅エネルギー調達戦略とデータガバナンスの解説 ✅SSBJ実務対応案で示されている方向性✅今から企業が準備できる開示準備のポイント

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