再エネ・再点検(下)大型バイオマス足踏み 企業からは需要「新設の火消さず」 - 日本経済新聞
大型バイオマス発電の新設が停滞する中、企業からの需要は依然として強い現状を報じる記事。
専門家の視点
大型バイオマス発電の新設が足踏みする一方で、企業からの電力需要は「新設の火消し」を妨げるほど強いという構図です。ここには明らかな時間軸のズレがあります。発電所の建設リードタイムと、企業の脱炭素目標の期限が整合していないのです。企業は2030年までに再生可能エネルギー由来の電力を調達したいが、大型バイオマスの新設計画は長期の環境アセスメントと燃料調達リスクを抱え、すぐには動き出せません。つまり、物語としての「再エネ拡大」は勢いがあっても、実体である送電網や燃料サプライチェーンの整備が追いついていない、物語先走りの構造です。注目すべきは、企業が新設を待たずに既存の電力契約を長期化したり、海外からの調達にシフトしたりする動きです。これは大型バイオマスへの投資をさらに冷え込ませる可能性があります。隠れた前提は「大型バイオマスが主力電源たりうる」という想定で、これを問い直せば、分散型の小型バイオマスや熱利用を組み合わせる現実解が浮上します。次の観測点は、企業の電力調達が既存設備の長期契約に傾くかどうかです。傾けば、新設はさらに遠のき、日本は輸入燃料への依存を深めるまま固定されます。