リコー、新中期経営戦略で新たなESG戦略を策定。「脱炭素目標引き上げ」と「再エネ調達強化」で持続的成長へ - Manegy[マネジー]
リコーが新中期経営戦略でESG戦略を策定し、脱炭素目標の引き上げと再生可能エネルギー調達の強化を発表。
専門家の視点
脱炭素目標の引き上げと再エネ調達強化が同時に打ち出された点は、リコーが事業成長と気候変動対応を同一の経営軸に置いた実体の変化です。ただし、ここで見るべきは目標数値そのものではなく、調達する再エネの追加性です。既存の再エネ証書の購入では、実際の発電容量の増加には繋がりにくく、物語上の削減率は向上しても物理的な排出削減が伴わない可能性があります。特にオフィス機器メーカーにとって、スコープ3の削減はサプライチェーン全体の行動変容が不可欠で、自社単独の目標では実行レイヤーが欠落しがちです。この戦略が実効性を持つかの観測点は、再エネ調達の契約形態と、取引先への削減支援策が具体的な数字として公表されるかです。期待先行で市場が評価する前に、調達電力の属性と目標年までの設備投資計画を照合すべきです。時間軸で見ると、今回の戦略は2030年までの可逆的な軌道修正であり、戦略自体の成否は2025年度の進捗開示で判断できます。脱炭素目標の引き上げは歓迎すべきですが、実体を伴うかは再エネの追加性とスコープ3の実行設計という二つの地味な論点に尽きます。