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「責任ある鉱物調達」は実現できるか、脱炭素も人権保護も(オルタナ) - Yahoo!ニュース

Yahoo!ニュース 2026-05-08
脱炭素化に必要な鉱物の責任ある調達と人権保護について論じた記事。

専門家の視点

責任ある鉱物調達は、脱炭素と人権保護という二つの正義を同時に実現するという物語を掲げますが、実体はその根底で非対称です。移行期の鉱物需要は物理的な供給制約に直面しており、認証制度やデューデリジェンスの導入は進んでも、採掘現場の実態把握やサプライチェーン全体の可視化という執行レイヤーが追いついていないのが現状です。ここには物語先走りの構造があります。隠れた前提は「責任ある調達が価格競争力を損なわない」という命題ですが、これは成立が難しい。調査費用や是正措置のコストは最終製品価格に転嫁され、安価な非認証鉱物との競合を招きます。時間軸で見れば、認証制度の効果は数年単位で現れる一方、気候目標の期限はより迫っており、この時間差が市場の期待を歪めます。次の観測点は、鉱物のトレーサビリティを担う国際的な認証機関の実効性と、調達企業が人権リスクを開示する際のKPI設定です。日本の製造業は、省エネ技術やリサイクル工程で実績を持ちながら、それを調達戦略に翻訳できておらず、この点こそがGX人材の本領発揮どころです。物語と実体の橋渡しは制度設計ではなく、現場の執行力と透明性の確保で決まります。

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