周南 「東ソー」バイオマス発電設備が完成 脱炭素の取り組み - NHKニュース
東ソーが山口県周南市の工場にバイオマス発電設備を完成させ、脱炭素化を推進する事例を紹介
専門家の視点
バイオマス発電所の完成は、東ソーにとって物理的な脱炭素の一歩です。ただし、燃焼時のCO2排出をカーボンニュートラルとみなす制度上の前提が、実体としての排出削減とズレています。原料の木材調達や輸送に伴う排出量をどう扱うかという、目に見えにくい部分が今後重要です。物語は「脱炭素化の取り組み」と掲げられますが、発電設備の稼働だけでは排出削減の量的なKPIが見えません。設備自体は完成しても、それがいつからどれだけのCO2削減効果を生むのか、周辺の省エネや化学プロセスの電化と組み合わせた全体像が必要です。期待のレイヤーでは、地域住民と投資家が「完成」というイベントに反応しやすい一方で、長期の燃料調達契約や供給安定性という実体が伴わなければ、期待先行に転じます。隠れた前提は「バイオマス=即脱炭素」という等式です。これは燃料のライフサイクル次第で崩れる等式であり、別の見方として、未利用材の活用や地産地消のエネルギーシステム構築の方が成果が測りやすいと言えます。次の観測点は、発電設備の稼働率と燃料調達の実績です。