企業動向

リコー、新中期経営戦略で新たなESG戦略を策定。「脱炭素目標引き上げ」と「再エネ調達強化 ...

2026-05-08
リコーは新中期経営戦略で脱炭素目標を引き上げ、再生可能エネルギー調達を強化するESG戦略を策定した。

専門家の視点

脱炭素目標の引き上げと再エネ調達強化は、リコーの事業構造における電力依存度の高さを踏まえれば、実体と整合する動きです。しかし、注目すべきは目標の「引き上げ」そのものではなく、その裏付けとなる調達コストの増加分を、誰が負担するのかという点です。製造業の再エネ調達は、製品価格への転嫁が難しいのが実態です。ここで効いてくるのは、オフィス機器やサービスに付加価値を認めてくれる顧客層がどれだけ存在するかです。目標だけが先走り、調達コストが内部に留保され続けるなら、中期的な収益構造との間に歪みが生じます。この構造は、目標達成の蓋然性と持続性を左右するため、今後の決算説明で、再エネ調達に伴うコスト増と、その吸収策が具体的に示されるかが観測点です。また、同社が対象とする事業領域のうち、どれだけが再エネ調達の恩恵を製品価値として訴求できるかも鍵です。脱炭素はもはや「守るべき規範」ではなく、「誰がコストを負担するか」という価格競争の論点に入っています。この転換を踏まえずに目標だけを評価するのは、物語先走りの構造です。次の焦点は、目標の高さではなく、目標とコスト負担の整合性です。

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