企業動向

JALグループ、2025年度のGX経営目標を達成 世界に先駆けCORSIA適格燃料・クレジットを活用

2026-05-08
JALグループが2025年度GX目標を達成し、2030年度に向けてSAFで燃料燃焼CO2の5%削減を新目標に掲げた。CORSIA適格燃料・クレジットを活用。

専門家の視点

省燃費機材比率45%、SAF導入量1%、CORSIA適格クレジットの償却開始。数字だけ見れば目標達成は事実です。しかしズレは「目標の設計」自体にあります。2019年度水準921万トン「未満」という基準は、国際線需要の回復が進む中で達成容易な水準であり、削減の質を問うものではありません。CORSIA自体が2019年排出量の85%超過分のみを対象とする制度である以上、同枠組みへの適合は「業界標準への追従」であって、世界に先駆けた挑戦とは言い切れません。注目すべきは2030年度目標の本質です。燃焼由来CO2の5%をSAFで削減する新指標は、従来の「搭載量10%置き換え」と数値の意味が異なります。SAFの排出係数次第で分母と分子の関係が変わるため、KPIとしての厳格さはむしろ低下しています。時間軸の観点では、除去技術の実用化を2045〜2050年に想定するロードマップは、それまでの約25年間を既存技術の延長でつなぐ前提です。省燃費機材比率を84%まで上げる計画は機材更新サイクルに依存し、SAFの95〜99%代替は国内生産体制の確立が前提ですが、その実証スケジュールは未公開です。

日本航空(JAL)グループは4月28日、2025年度のGX(グリーン・トランスフォーメーション)に関する経営目標を達成したと発表した。省燃費機材への更新や日々の運航の工夫に加え、SAF(持続可能な航空燃料)とカーボンクレジットの活用によるもの。同グループが2020年に宣言した「2050年までにCO2排出量実質ゼロ」の達成に向け、着実な前進を示した。 JALグループは2020年、国内航空会社で初めて2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指すことを宣言。「2021〜2025年度JALグループ中期経営計画」において、2025年度までに航空機からの実質CO2排出量を2019年度水準(921万トン)未満とすることをGX経営目標として掲げていた。 今回の発表によると、省燃費機材への更新、運航の工夫、SAFの活用、カーボンクレジットの活用という複数の取り組みを組み合わせることで、この目標値を達成した。 また同時に、2025年度において全燃料搭載量の1%にあたる約4万キロリットルをSAFに置き換えるという目標も達成している。 JALグループが特に強調するのが、CORSIAの枠組みを活用した取り組みだ。 CORSIAとは、ICAO(国際民間航空機関)が定めた「Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation」の略称で、国際航空を対象に炭素をオフセット・削減するための国際的な枠組みである。日本を含む世界各国の航空会社に対し、CO2排出量のモニタリングと削減(SAF使用やクレジット活用)が義務付けられており、「2019年のCO2排出量の85%を超過した分」の削減が求められる制度だ。本スキームで削減効果を主張するには、利用するSAFおよびクレジットがCORSIA適格である必要がある。 JALグループは2024年度にCORSIA適格燃料の基準を満たしたSAFの調達を開始。さらに2025年度にはCORSIA適格クレジットの調達・償却を開始した。同グループが「世界に先駆けて」と表現するのは、このCORSIA適格燃料・クレジットの活用を国際的にも早期に実践している点を指す。 同グループは、「CORSIAの枠組みを通して、透明性と質を担保しながら、実質CO2排出量の削減に取り組んでまいります」としている。 省燃費機材の導入も、排出量削減の重要な柱だ。 JALグループが定める省燃費機材は、A350、787、A321neo、737-8の4機種。2025年度時点での省燃費機材比率は45%に達している。同グループはこの比率を2030年には67%、2035年には84%まで高める計画を掲げており、段階的な機材更新を進めている。 運航の工夫による排出低減や、管制高度化への参画も継続して実施。バリューチェーン内でのCO2排出量削減を最大限追求する姿勢を示している。 SAFについては、社会実装の推進を長期的な柱として位置づけている。 JALグループが示す2050年に向けたロードマップでは、各年度の燃料燃焼による排出量に対するSAFによる削減割合が、2030年度に1%、2035年度に5%、その後さらに拡大し、最終的には95〜99%に達するという想定が示されている。 SAFの利用拡大に向けた具体的な取り組みとして、同グループは以下を挙げている。 SAF価格低減と生産拡大に向けた官民連携 企業や地域と共に進める純国産SAFの開発 原料となる廃食油回収などを通じた社会との協働 社会やお客さま、製造業者や同業他社とともに、環境負荷軽減効果の高いSAFの社会実装を推進するとしている。 なお、多様なSAFの流通拡大が見込まれることを踏まえ、JALグループは従来目標である「全燃料に占めるSAF使用量10%(FY2030)」に加え、SAFによるCO2削減量を新たな目標として設定。「本来の目的に立ち返り」とした新たな指標の導入だ。 2030年度に向けては、新たな目標も明示した。 JALグループは、2030年度の経営目標として「2019年度比10%減(828万トン)」のCO2排出量削減を掲げている。この目標達成に向け、2030年度の燃料燃焼によるCO2排出量の5%をSAFによって削減するという新目標を設定した。 従来の目標である「全燃料に占めるSAFの割合10%への置き換え」にも継続して取り組む方針。省燃費機材への更新、運航の工夫、SAFといったバリューチェーン内での排出量削減に最大限努めながら、CORSIA適格クレジットなどバリューチェーン外での排出量削減にも取り組み続けるとしている。 さらに長期的には、大気からCO2を除去し資源化する除去新技術の活用も視野に入れており、2045〜2050年にかけてこの技術の活用を

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