関西電力が発電設備容量を3割増に…水素の大規模供給網構築も、2040年度実現めざす(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
関西電力が発電設備容量を3割増とし、水素の大規模供給網構築を2040年度までに目指す計画を発表した記事です。
専門家の視点
発電設備容量3割増という数字は、関西電力の事業基盤そのものを拡張する宣言です。しかし、これは単なる増設ではなく、水素の大規模供給網という新たな社会インフラの構築とセットで語られています。ここに構造的な論点があります。設備容量の拡張は電力会社の従来の行動様式ですが、水素供給網は異なる技術・制度・投資回収の論理を持つものです。この二つが同時に2040年度に実現するという構図は、内燃機関の製造能力を確保しながら電気自動車の生産体制も整えるような、二つの異なる未来への同時投資です。現実には、既存の電力システムを支える火力発電の維持と、水素社会への移行は、投資と人材の配分で競合します。この戦略が成立するためには、単年度で進む電源開発と、十年単位で形成される水素インフラの時間軸の違いを、資本市場と規制制度がどう許容するかが肝になります。物語は壮大ですが、実体としての実行主体の重複負担が見過ごされがちです。次の観測点は、この計画を遂行するための具体的な人員配置と、水素供給網の需要家との長期契約が公表されるかどうかです。それが示されるまでは、期待先行の構造であると判断します。