北陸電力、石川県内の水力発電所をリプレース 出力690キロワット増 - 日本経済新聞
北陸電力が石川県内の水力発電所をリプレースし、出力を690キロワット増強する計画を発表。
専門家の視点
石川県内の水力発電所リプレースで出力が690キロワット増える事実は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度頼みではない既存設備の延命策として非常に現実的です。ここで核心となるのは、増加分の数値の小ささではなく、既存ダムや水路という社会的インフラを再利用する点にあります。新規の大規模開発が困難な日本では、この小規模リプレースこそが水力拡大の主要経路ですが、その一つ一つが事業計画の承認から着工まで長い時間を要します。記事が当然としている「リプレースすれば出力が増える」という前提には、耐用年数を迎えた設備をどう維持するかという保全の視点が欠けています。期待先行の構造であり、投資家はこの690キロワットという微増に反応せず、むしろ北陸電力の送配電網全体の安定運用に目を向けるべきです。次の観測点は、このリプレース工事が予定通り完了するかという工程管理と、周辺地域の水利権調整の行方です。日本全体の脱炭素化は、こうした華々しさのない積み重ねの上にしか成立しない構造です。