経産省、FIT・FIP認定55件を取り消し 交付金返還命令を初適用 - ウインドジャーナル
経産省がFIT・FIP認定55件を取り消し、交付金返還命令を初めて適用したことを報じる記事
専門家の視点
経産省がFIT・FIP認定55件を取り消し、交付金返還命令を初適用した事実は、制度運用の転換点を示します。従来は認定後の未稼働案件に対し指導や勧告に留まっていた執行が、財政的回収という実体を伴う段階へ移行しました。ここで注目すべきは、取消し対象が事業計画の具体性を欠く案件に集中している点です。本来、認定は発電事業の実行可能性を審査する入り口であり、その甘さが長年の未稼働問題を生んできました。今回の措置は、入口審査の強化ではなく出口規制の厳格化で実効性を確保する、非対称な制度設計の帰結です。物語と実体のズレは、経産省が「適正化」を強調する一方で、取消し後の事業区域の扱いや再公募の具体的な工程が不明確な点に現れます。期待先行で市場に拡散した認定件数が、いざ執行段階で収束する際の摩擦は避けられません。次の観測点は、返還命令を受けた事業者の不服申し立ての動向と、取消し案件の区域が新規事業者に円滑に引き継がれるかです。この措置は遅きに失したが、制度の信用を回復する実体づくりとして、GX投資の選別を加速させる契機と評価します。