再エネ・技術

正念場の再生可能エネルギー、どのように導入を加速すべきか - ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

ニュースイッチ by 日刊工業新聞社 2026-05-06
日本の再エネ導入を加速するための方策について、現状の課題と今後の展望を議論する記事

専門家の視点

再生可能エネルギーの導入加速を語る際、見落とされがちなのは系統網の増強と蓄電設備という物理的制約の存在です。風力や太陽光は天候依存性が高く、出力変動を吸収する仕組みがなければ、どれだけ発電所を建設しても安定供給には繋がりません。ここに物語先走りの構造があります。政策目標としての導入量は壮大ですが、送電線の整備には長い時間と莫大な投資が必要であり、現実の進捗はビジョンに追いついていません。また、導入加速の議論では、誰が系統増強のコストを負担するのかという実行レイヤーの責任分担が曖昧なままです。発電事業者と送配電事業者、そして最終的な電気料金への転嫁という三者の調整が欠けたままでは、制度は動き出しても現場の実行が停滞します。時間軸で見ると、発電所の建設は数年で進む一方、系統整備は十年単位の事業であり、この非対称性が導入の足枷となっているのです。次の観測点は、系統増強の具体策と費用負担のルールがいつ決まるかです。再生可能エネルギーの正念場は、発電所の建設速度ではなく、インフラ整備という時間のかかる地味な作業にあると言えます。

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