経産省、国産バイオマス由来のバイオエタノール普及へ支援策を検討 経済安保と脱炭素で投資促す - 日本自動車会議所
経産省が国産バイオマス由来のバイオエタノール普及に向けた支援策を検討し、経済安全保障と脱炭素の観点から投資を促進する動きを報じた記事。
専門家の視点
国産バイオマス由来のバイオエタノール支援策は、経済安全保障と脱炭素という二つの政策目的を、一つの燃料に託す構造です。ここには明確な「実体が翻訳されていない」ズレがあります。輸入燃料への依存削減という安保要請と、カーボンニュートラル実現という気候要請は、時間軸とコスト構造が本来異なります。安保は即効性が求められますが、国産バイオマスの供給網構築とエタノール車両の普及には十年単位の投資が必要です。一方、脱炭素は長期的な社会変革ですが、現行のエタノール混合ガソリンは既存インフラを温存する暫定策に過ぎません。隠れた前提は「既存の内燃機関車を使い続けながら燃料だけ替えれば良い」という発想です。この前提が、本命である電動化や合成燃料への投資を逡巡させる可能性があります。実行レイヤーも曖昧です。事業主体はエネルギー企業か、自動車メーカーか、農林業者か、経産省は誰に補助金を渡すのか。支援策の効果は、この担い手の確定と、経済安保と脱炭素のどちらを優先するかの順位付けにかかっています。次の観測点は、支援策の対象範囲が設備投資なのか原料調達なのか、そして車両側の対応義務が示されるかです。