再エネ・技術

合成メタン普及へ、実証加速 脱炭素化のカギ、安定調達にも―大阪ガス - 時事ドットコム

時事ドットコム 2026-05-07
大阪ガスが脱炭素化の鍵として合成メタンの普及に向けた実証を加速しており、安定調達などに取り組むと報じた記事

専門家の視点

合成メタン普及の実証加速は、日本の既存インフラを活かした現実的な脱炭素戦略です。しかし構造を見ると、物語先走りの危うさが透けて見えます。技術の実証が進み、国の目標も示される一方、最大の論点は「誰が作るか」という供給側の不在です。合成メタンは製造に大量の水素とCO2を必要とし、その調達コストがいまだに既存都市ガス比で数倍以上あるのが実体です。この価格差を埋める制度設計ができなければ、意欲的な企業ほど先行的に動くものの、普及は限定的になります。 安定調達という軸も、実は供給源の確保という視点で見ると、日本国内での自給率向上に繋がりますが、国際市場での輸入競争という逆のリスクも同時に生じます。時間軸でいえば、現行の実証は2030年頃の商業化を想定しますが、それまでに水素の国際サプライチェーンが形になるかが分水嶺です。次の観測点は、大阪ガスの実証施設から得られる製造コストの具体的な開示と、政府の支援策が設備投資回収の見通しを立てられるかです。ここが曖昧なままでは、合成メタンは「あればいい技術」で終わります。

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