世界の脱炭素投資、反ESG下でも増勢 25年に過去最高 - 日本経済新聞
反ESGの流れがある中でも2025年の世界の脱炭素投資が過去最高を更新する見通しを報じている。
専門家の視点
世界の脱炭素投資が過去最高を更新する一方で、反ESGの流れが強い米国では連邦レベルでの政策が後退しています。ここには明らかな非対称性があります。投資は民間セクターと州政府、欧州や中国の制度が牽引し、連邦政府の物語だけが反ESGに傾いている構造です。つまり、脱炭素の実体は制度から切り離されて市場独自の運動エネルギーを得ていると言えます。 この状況で問われるのは、時間軸の非対称性です。投資は今すぐ効く可逆性の低い設備や契約に紐づき、一度動き出せば政策で巻き戻せません。一方の反ESG言説は選挙サイクルに依存し、短期的には市場心理を揺さぶっても実物資産の流れを止める力を持ちません。隠れた前提への問い直しとして、投資増加がイコール排出削減の加速を意味しない点が挙げられます。グリーンウォッシュ的な資本の受け皿が増えている可能性は、記事の楽観的な見立てに欠けた視点です。 次の観測点は、この投資の内訳です。化石燃料の延命策への資金流入か、真の新規ゼロエミッション技術への配分か。米国の機関投資家が連邦批判を無視して資金を動かし続けるかどうかが、物語と実体のどちらが支配的かを決めます。