2025年度設備利用率は33.6% | 原子力産業新聞
専門家の視点
設備利用率33.6%という数字自体は、新規制基準施行後で最高水準であり、2015年度以降の継続的な上昇傾向の中に位置づけられます。しかし、この記事が示す最も重要な構造は、「再稼働プラントの設備利用率が70%を超えた」という実績と、「国内全33基のうち再稼働は15基にとどまる」という実体の落差です。つまり、動いているプラントはフル稼働に近い一方、全体の半分以上のプラントが停止したままであり、この二重構造が日本の原子力の現状を正確に表しています。 注目すべきは、40年超運転プラントが6基に達し、さらに「GX脱炭素電源法」に基づく新規制が施行された点です。ここには制度と執行の非対称性があります。長期運転の認可は進む一方で、高経年化対策の実効性を評価する人材や検査体制が追いついているかは別問題であり、今後の規制の執行速度が実質的な稼働率を左右します。 隠れた前提として「稼働率上昇=安全性向上」という等式が当然視されていますが、実際には稼働率は電力需要や経済性、政治判断にも依存しており、安全とは別の変数です。
原子力産業新聞が電力各社から入手したデータによると、2025年度の国内原子力発電所の平均設備利用率は33.6%、総発電電力量は972億3,191万kWhで、それぞれ対前年度比1.3ポイント増、同4.0%増となった。いずれも新規制基準が施行された2015年度以降で最高の水準を更新した。 2025年度には、柏崎刈羽6号機(2026年2月16日送電再開、同4月16日営業運転再開)がABWRとして初めて新規制基準をクリアし、再稼働した。これにより、再稼働した原子力発電所は、女川2号機、柏崎刈羽6号機、美浜3号機、高浜1~4号機、大飯3-4号機、島根2号機、伊方3号機、玄海3-4号機、川内1-2号機の計15基・1,460.9万kWとなった。再稼働していないものも含めた国内の原子力発電プラントは、前年度と同じく計33基・3,308.3万kWとなっている。 国内の長期運転プラントは、高浜2号機が2025年11月14日に運転開始から50年に達し、同1号機に次いで国内2基目の50年超運転入りとなった。また、川内2号機が同年11月に40年超運転入りした。これにより、再稼働済みプラントのうち40年超運転は計6基となっている。なお、原子力発電所の高経年化対策に関して、「GX脱炭素電源法」に基づく新たな規制が同年6月6日に施行された。 2025年度に最も高い設備利用率を記録したのは、大飯原子力発電所4号機で95.0%。これに美浜3号機の88.8%、島根2号機の87.9%が続き、柏崎刈羽6号機を除いた稼働中の全ての原子力発電所の設備利用率は70%を超えた。※2025年度の各プラントの稼働状況はこちらをご覧ください。
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