排出量算定

【国際】パタゴニアやアップル66団体、GHGプロトコルのスコープ2基準改定に反対。共同声明

2026-05-06
パタゴニアやアップルなど66団体が、GHGプロトコルのスコープ2ガイダンス改定案の要件緩和を求める公開書簡を提出した

専門家の視点

排出量算定の基準を巡り、66団体が緩和を要請した構図は、測定の厳格さと実務の実行可能性の衝突です。原案の要件は、再生可能エネルギー由来電力の証明を厳格化する方向ですが、調達の実態が追いつかない企業には過度な負担となります。ここには、実体(調達できる電力の物理的制約)と物語(脱炭素目標の達成という理念)と期待(基準改定への市場の反応)の間に、明確なズレがあります。論点は、基準の厳格化が企業の目標達成意欲を削ぐか、それとも市場全体の電力調達構造の転換を加速するかです。現在の基準では、市場メカニズムを通じた環境価値の証明が曖昧なままですが、原案はそれを厳密化しようとします。ここで隠れた前提を問い直します。環境価値の証明を厳格化することが、本当に排出量の実質的な削減につながるのかです。証明コストが高まるほど、中小企業の参加が難しくなり、全体の削減ペースが鈍る可能性があります。この対立は、基準の質と市場の参加率を両立させる制度設計が不十分なまま、理念が先行した結果です。次の観測点は、GHGプロトコル事務局がどのような妥協点を示すかです。

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